2015.5.29
Sさんから続いてマスタークオリティー、ベートーベン運命の試聴感想をいただきました。
言い訳のようになってしまいますが、この録音はホールの吊りマイクで集音されたワンポイントマイク録音だと
思います。通常は聴衆の視界に入らぬように高い位置にセットされていますので市販のCDの音と比べるとオフに
感じられるのだと思います。いずれ自分で録音したオーケストラ演奏をぜひマスタークオリティーにしたいものです。
Master Qualityシリーズ 宇野功芳指揮 ベートーベン 運命 東京フィルハーモニー交響楽団を聴いて
交響曲に関しては詳しくありませんが、一応は何枚かのCDは持っていて、いわゆる高音質と謳っているCDも含まれていますが、全般的なクオリティーに関してはそれら以上です。
曲の解釈はライナーノートに記載されているようなことは全く言えませんので、省略。
弦楽楽器の倍音は気持ち良く、解像度、情報量もありますが、カリカリの見え過ぎというわけではない。迫力、力感もあるのですが、聴いていて耳が痛くなるような極端なバランスではありません。安心して聴けます。聴いていて、コンサートに行きたくなりました(笑)
要望があるとすれば、ライブ、そして未編集ということで、観衆の様子も見え過ぎてしまって、ちょっと興が削がれる環境音も目立ってしまったことでしょうか。(タイミングや音の種類?にもよりますが、個人的に、コンサートに行って、隣にこういった人がいると、集中出来ないタイプの人間です。)それと、この曲目であれば、もう少し座席が前の方で聴いている感じが欲しいですね。矛盾しているようですが、この全体的なバランスを崩さずに、あともう少し迫力が欲しいというか…。
それでも、もはや安定の域に入ってきた同シリーズという作品で、今回も期待を裏切らない出来でした。本CD、過去のCD含め、それぞれ現場で録音した人、方法はバラツキがあるようですが、CD化の作業は共通ですので、そこにインフラノイズレーベルとしての共通の味が見えてきたと思います。
これからもこのテイストを味わいたいですね。期待しています。
2015.5.26
ベヒシュタインでのコンサートがこの土曜にあった。音の友達二人、アーチェリーの友達一人、私のピアノの先生ご夫妻、家内と親しい人がたくさん来てくださったので録音のほうも自然と力が入った。
後日、音楽を聴くことが人生の全てかと思えるくらいの音友Oさんがこう言われた。生き生きとしたええ音でした。良い演奏会があるでと突然に彼から電話がかかってくる。毎年のトヨタ後援のウイーンフィルのメンバーによるコンサートに行けるのもこの友人のおかげ。彼がチケットを手配してくれなかったら耳の消毒が出来なくなってしまう。阪大でベーゼンドルファーでの演奏会があるとか、私が断ることのないものばかり。彼のおかげで年末のサロンコンサートのチケットも入手出来た。眼の前でウイーンフィルの首席クラリネット奏者、ペーター・シュミードルが聴ける。なんとかこれを録音させてもらえないものか?
ベヒシュタインを弾かれたのは東桂子さんという関西生まれのピアニスト。
リハーサルでマイクセッティングをしていると整音中の清水さんとの会話が耳に入ってきた。自宅のスタインウエイと勝手が違うので低音の出が異なる、ピアノを触るかどうか?ペダルの踏み方でなんとかします。こんな内容である。今日のコンサートは毎日文化教室のある2階のスペースでのサロンコンサートである。ホールではなく天井も低い、おまけにビルの吹き抜けと直結、雑音だらけの悪条件がいっぱい。ここでそこまで真剣に頑張られることに驚いた。まあ場所が悪いので上手くいかないと諦めるのが普通だと思う。
こちらのベヒシュタインは普段弾かれることがない。だから2-3ヶ月に一回のコンサート以外は眠っているということになる。これはやはり良くないコンデイションに違いない。今日の鳴りかたはいかがですかと清水さんに聞いたら、もう一つだけどリハーサルで弾いてくれるだけで鳴るようになるでしょうと言われた。今までこちらでのベヒシュタインコンサートでの録音は3度目だが弾いたら鳴るようになったと耳で聴いて解ったとは言いにくい。少し変わったかなくらい。
今回は違ったこの場所でどうしてこんな音が出るのか?ピアニシモはピアニシモなのに音の大きさがリハの何倍も大きな音になっている。へんな表現だが音が小さいのに太くて音量があるのだ。やっぱり変な表現かな?フォルテのほうはこんな音は聴いたことがない。もうまるで大砲みたいな音、と言ってもやかましいのではなく太くで巨大だ。これもおかしな表現だ、難しい。弱音がか細くならないでもっと弱音、強打はやかましくならないで強烈に大きい。一番小さい音と一番大きな音の差、ダイナミックレンジが凄く拡大する。でも録音機のメーターでは異常にダイナミックレンジが拡がっている様子はない。ベヒシュタインでは何度もショックを受けてきたが弾き手が変わるとこんなことが起こるのか。若いときに音大へ行ってたらこの俺だって、という幻想は一瞬にして消え去った。ピアニストのレベル差というものはこんなことにも現れてくるのだな。
いつもはピノキオのような鼻で帰宅するのだが、今回はそんなものは微塵もない。とても上手く録音できたところで今日の出来事の何割を捉えられたかは聴いて確認しなくても解っている。でもホールで万全の体制で望めば7割くらいは捉えられるかも知れないと思いながら家に着いた。この人の演奏で、この楽器で録音の準備を整えてやればとんでもないマスタークオリティーが出来上がるのは間違いないと夢見ることにしよう。
2015.5.11
ピアノを弾かれるSさんとはお目にかかったことは有りません。ピアノという話題が一致するためか新製品の感想がいただけないと上手く鳴っていないのかと本当に心配になります。パワーリベラメンテは早々と購入してくださったのにお忙しかったらしくやっと感想文をいただけました。
お世話になっております。
パワーリベラメンテ(ACPL-1.3)の試聴感想です。
試聴環境の変化は、トランスポートにあたるPCにCD(BD)ドライブを積んだこと、SP間にあったテレビを脇に移動させたこと、その代わりではないですが、その位置の後方の壁に某社の音響パネルを入れた位でしょうか。
今回は逸る気持ちが抑えきれず、一つの機器のケーブルを交換して、それを純正に戻さず、1本ずつ追加していく、という流れでした。流れとしては、DAC(DAC-1)→電源タップ(クリーン電源)→アンプ(L-507u)→トランスポート(PC)です。
電源ケーブルですので、今までのリベラメンテと違う点として、全体的にリベラメンテの特徴と同時に、交換した機器の特性も出てくる感じがしました。
DAC-1に取り付けた時は、リベラメンテの効果で、音のエネルギー感が強まると同時に、音の彫が深くなるというのでしょうか、音のより細かい襞の部分まで感じ取れるようになりました。
クリーン電源に入れた時は、全体的に効果が拡散される感じで、正直DAC-1に入れた程の印象は感じられませんでしたが、良くなりこそすれ、悪い部分は感じられません。
次にアンプですが、このアンプの特徴というか、個人的な主観ですが、低域は強靭な土台があり、安心して音楽を聴ける反面、カサカサして高域の艶があまり感じられないという印象を持っていました。またさほど経験はありませんが、アンプの電源ケーブルを変えると、低音が出るようになったけれど、何だかモコモコする…、ケーブル替えたけど、何が違うの?これなら替えずに純正の方が…、とか一長一短な面や、難しい部分があるなぁ、と思っていました。そんなことを思いつつ、交換しました。まず無難なというか、これだけでも大したものですが、副作用がありません。純正ケーブルの壁をあっさり超えました。さらにここで今まで不満と思っていた高域の艶が出てくるではありませんか!もちろん下品な艶ではなく、上品なもので、さらに全ての音源に出てくるわけではありませんが、これは衝撃でした。今までのものをキープした上で、良い特徴が出てくるのですから。
そして最後にトランスポートであるPCです。パワーリベラメンテを導入された方の感想でもすごい効果が出たとあったので、美味しい物は最後に…、ではないですが、ちょっとドキドキしながら交換しました。
……。
曲はマイリファレンスの一つの、『川江美奈子「letters」』より「つないで手」。
……。
何だこれは!?
驚きました。今まで感じられていた同様の効果が、堰を切ったかのように、怒涛のように一気に溢れ出てきました!
ピアノとボーカルのシンプルな編成のこの曲で、ここまで変化があった、もといこのような表情の演奏は聴いたことはありませんでした。声が正面に浮き出ており(この浮遊感、分離感も堪らない!)、さらに肉付き感というか臨場感というか、声の成分、成り立ちも変わってしまったかのようです。声の要素となる発生源が今までよりも多くの場所から発生して、幾重にも重なり、立体的なボーカルを構成しています。(何年か前、某オーディオ雑誌のレビューで、このSPのボーカルを聴いて、ひとり二重唱という表現がありましたが、
環境が違うとはいえ、こういうことかと初めて実感することが出来ました。SPの特徴以前に、リベラメンテの特徴であるかとも思いますが)また艶っぽさもより出てきて、より細かい表現が聴き取れるようになりました。ボーカルの声が出る前の溜め、そこから力強く空間に声が放たれる様子(間接音過剰でお色気路線というわけではない)、そして消えていく余韻(トランスポートの強化ということで、情報量の増加の影響もあると思います)。この曲を聴いて間違いなく、ウチのオーディオは次の段階に上がったな、と思いました。主観(好み)の問題を考えても、正々堂々、これがウチの音です、と言い切れます。あまりの現象に、恥ずかしながら鳥肌どころか思わず涙が出てきました。(音だけでなく、ウチのオーディオでこれだけの音が出てくるんだ!という、別な意味での感動も含まれてはいますが)
もちろんこの効果はボーカルものだけではありません。『Trio Bellegarmo』のラフマニノフ(ピアノ、チェロ、バイオリン)を流しながら、別の作業をしていたのですが、1曲目、冒頭のチェロとバイオリンとの切り替わりが無意識に分かりました。今までも良いCD(好演奏、好録音)だなぁ、とは感じてはいましたが、こういったチェロとバイオリンとの違いが分かり易くなったり(単純に私が駄耳なだけかもしれませんが…。だからこそありがたいのですが)、さらに弦楽器が放つ、ぞくぞくするような妖しさや艶やかさの魅力に、今更ながら気付かされ、あまり交響曲には興味が無かったのですが、ちょっと食指が伸びそうです。と、いうか実際その後買いまして、増殖中です。(他にも意外というと失礼ですが、琴という楽器を見直しました。)
同じピアノで同じ曲、音を鳴らしても、演奏者によって音が違います。鍵盤を指で押す力を調整することで強弱がつきますし、押しているタイミングやペダルを加えることでもさらに変わってきます。さらに一つの音符の音が連続に連なり、リズムが加わり曲となると、全く別物となる。同じ曲なのに演奏者によって全く違う曲になるということは分かるかもしれませんが、曲全体どころか、冒頭の音符一つ、例えばただの「ド」だけであったとしても、それはその曲に合った「ド」であり、素人とプロ(熟練者)とでは、雲泥の差が出て来て、これがまたなかなか再現が困難なのです。下手の横好きでピアノを弾いている自分自身が体験しているので分かるのですが、不思議なことに、頭では分かっていても、弾けない。本当に冒頭の「ド」ですら、マネが出来ないし、これが連続して曲となると、なおのこと実現が難しい。(どうしてこんなに柔らかい音が出てくるのだろうと、力を弱めると、今度は音がただ小さくなってしまう…。それをほぼ百発百中で音を出すのだから、プロはすごい)これを曲が曲として成立する(ただ音が出る)のは当たり前で、そこに様々な表現(雰囲気も含む)を付けて演奏可能な人がプロの演奏家という者なのです。
ちょっと横道に逸れてしまいましたが、リベラメンテシリーズは、当然素人ではなく、素晴らしいプロとしての演奏者だと思います。ただし楽譜上にはない表現はせず、忠実にとても高度にそれを再現する。他の下手なケーブルでは、素人でただ音が出るだけとか、ただの「ド」が弾けなかったり、素人ではなくとも、独りよがりな変な解釈をして、曲そのもののバランスを崩してしまうことが多々あるかと思います。
オーディオにとって電源はとても重要、もとい効果があることは分かっていましたが、ここまでとは…。本当に響きや倍音成分がとても気持ちが良いです。
このような作品を世に出して頂き、ありがとうございました。
2015.4.27
録音に関してはとても厳しいKさんからマスタークオリティー運命の感想をいただきました。
いつも冷や汗もので、一番心配なのはこの方のコメントです。
フィガロの結婚」序曲・・・
各パートの楽器が十分分離していて、立上がり下がりが「生」に近い
特にバックの打楽器「ティンパ二―」の最初の一撃音が充分感じられる、
ただ、生の音と比較してエネルギー感がもう少しほしい。
「運命」
全体は上記と同様に素晴らしい。
各パートの楽器がなまなましく、目前であたかも演奏が行われているよう!
注意して聞いていると演奏者の数が脳裏にうかんでくる、特に弟2楽章の
「コントラバス」が特になまなましい、
立上がり立下がり感、さらに、バックのテッンパ二―も素晴らしい。
全員合奏の盛り上がりもほぼ生に近い。
でだしで微妙に各パートのずれは、御愛きょうか・・・
総評
全体としてほぼ「生」に近く、演奏の切れ目に静けさを感じる。
気が付いて見ると、音量を上げて聞ていました。
平成27年4月25日
2015.4.24
村井裕弥さんがレコード芸術5月号にパワーリベラメンテの製品解説をしてくださった。
素晴らしい記事に感謝します。有難うございました。
記事中で、まるで「楽器のような」稀有なケーブルだと言われている。そして楽器型のオーディオ製品の一例として
キソアコースティクのスピーカーを挙げられた。残念ながらこのスピーカーを聞いたことがないが、非常に
評判がいいし、オーディオフレンドのM博士もいつも良いとおっしゃっているのでいいのだろう。
ギターのような構造で箱を積極的に鳴らしているスピーカーらしい。私が思いつく例としてはタンノイの
GRFがある。村井さんがおっしゃるように単に箱が鳴るようなスピーカーを造れば殆どの場合クセの強いバランスを
崩した音質のスピーカーシステムが出来るのは目に見えている。それなら箱をガチガチの補強していっそうのこと
箱の鳴らないスピーカーを造るほうが成功率は高い。
でもここに見逃していることがある。鳴らないからと言っても重いコンクリート板も音色に鈍い重い雰囲気を付け加えるくらいには絶対に鳴っているのだ。薄いペラペラのベニヤ板のバッフルと重いコンクリート板のバッフルを比べてどちらが良いかというのは難しい。しかし薄いペラペラベニヤ板をキソアコースティックさんのスピーカーボックスのようにバスバーを付けたり、形の比率を変えたらすれば腕、耳のいいチューナーならコンクリートバッフルに大差を付けるのだ。ところがコンクリートバッフルに部分的に木材を張るとか耳のいいチューナーが攻めれば箱鳴り代表薄ベニヤ板よりはるかに忠実度の高いスピーカーシステムが出来る。忘れてはいけないことは物理的に優秀なものは劣ったものより優れた製品が出来る可能性が高い。しかし物理的に優秀でないものでもチューニングに優れるなら物理的なマイナス要素をカバーする。また物理的に優秀なものでも造りっぱなしならチューニングに優れた鳴り物?的構造に劣るが、物理的に優れたものにさらに優れたチューニングを行うなら素晴らしいオーディオ製品が誕生するの間違いない。
要するに音楽に関係するものは最終的にマイスター的な作業なしには完成しないのである。
単に楽器のような鳴る構造のオーディオ機器が優秀なのではなくて、楽器を最終的に調整するマイスターの
腕と耳なしでは素晴らしいものは出来ない。
オーディオ機器でない、ストラディヴァリウスもガルネリデルジェスも魂柱やブリッジの調整、その他
耳による調整無しには銘器の値打ちは発揮されない。ベヒシュタインやベーゼンドルファーもステージ直前の調整が
なければ調整された国産ピアノに劣るというのは当然だ。
楽器的発想がオーディオ製品の優秀性を決めるのではなくて、構造、材料はさまざまだが最終段階の
マイスター的チューニングがその価値を決めているのである。キソアコースティックのスピーカーも
工場で組み立てるだけでなく出荷前の段階ですでにギターなどを製作されるレベルのマイスターの耳と腕が
その音を決めておられるのだろう。一度聴いてみたいと思う。
最後にパワーリベラメンテは楽器のように鳴り易い材料を使って楽器のように音を増幅しているわけではない。
よく調整された楽器のように、音楽が正しくなるように物理的にも、電子的にも製品ごとに細かくチューニング
して出荷しているのは事実である。
メーカーとしてコメントすれば、楽器のように振動させて音を造っているのではないが、楽器のように
演奏前に調整しなければ酷い音質になるのと同じくではあるが、素晴らしい演奏の可能な良く調整された
楽器のように調整された電源ケーブルがパワーリベラメンテである。現行のパワーリベラメンテと全く
同じ材料で同じ構造に作成しても最後の整音がなければコンクリートバッフルスピーカーと同じだろうと
思う。
2015.4.23
山之内正さんが5月号レコード芸術でマスタークオリティー第四弾、宇野功芳指揮 運命の新譜月評を書いてくださった。
確かご本人も現役でコントラバスを弾かれると記憶している。ライブを聴いているような稀有な盤だと誉めてくださった。
もう少し他のCDとどれくらい違うか書いていただきたかったが立場を考えるとよくここまで書いていただいたものだと感謝しなければならない。有難うございました。自分で録音しなくてもマスターさえ借りれたら、ウイーンフィルでもベルリンフィルでもこんな音でCD化できるのに、本当に悔しい。どなたか国内CD業界の重役さんがこのCDをお聴きになってびっくりされて、世界への進出を企ててもらえないものか?
2015.4.15
パワーリベラメンテの試聴感想をJimmy Jazzのサイトに一番に書いてくださったのはAquiraxさんです。
何日にもわたって書いた文をひとつにまとめていただきました。
とくに今までのACケーブルにないパワーリベラメンテのみが持つ特長をよく理解してくださいました。
ここで改めてインフラノイズとしての見解をまとめてみました。
パワーリベラメンテがオーディオ機器の性能を単にうまく引き出すのではなく、そのままでは不足している要素で、音楽を再生、再創造する能力を追加するということが一番の特長です。これはどのようなACケーブルやその他のケーブルにはない特長です。それを自分の装置の現在の再生能力はパワーリベラメンテに依存していると表現なさいました。パワーリベラメンテさえあれば高価なオーディオ機器でなくても充分すぎる音楽再生が出来ると言われているようにも取れます。パワーリベラメンテの開発者としてはそのとおりだと言いたい気持ちもありますが、普通の機器は物凄く変化し、高価なオーディオ機器は能力以上に変化するとしたいです。どんな機器と組み合わせても音楽再生の面では必ず効果がありますのでご安心ください。パワーリベラメンテを一番効果がある部分のみに使うことをメーカーとして薦めるというわけではありません、もし1-2本のパワーリベラメンテだけで大きな効果を得たい場合には選んだ機器にお使いください。分岐コンセントBOXの入り口にのみパワーリベラメンテを使い分岐的にその効果を用いるのはパワーリベラメンテの性能の限られた部分しか引き出していないことになります。むしろ一番効果のある機器にだけ使用した場合のほうがある意味でパワーリベラメンテの性能を充分引き出しているという意味をご理解ください。分岐コンセントBOXで使用する場合はAquiraxさんが特に認めておられる音楽再生での性能は発揮されずむしろ一般的な意味でのオーディオ的音質向上がほぼ発揮されるに過ぎないということです。2本のリベラメンテだけを使用する場合を想定して、もっとも効果のある機器に1本使用して残りの1本は分岐コンセントBOXで使用して効果を複数の機器に分散する使い方はあります。しかし初めから2本とも分岐コンセントBOXを使用して複数の機器に給電する使い方はお勧めできません。一番効果のある機器、例えばメインアンプ、DACなどに一本のパワーリベラメンテを使用してその次に効果のある機器に2本目を使用するか、あるいは分岐コンセントBOXを利用して複数の機器に給電するかはヒアリングしての選択となります。
2015.4.7
西野和馬さんが約一月かけてじっくりパワーリベラメンテの音質変化のリポートをまとめられた。
長文なのでそのまま掲載させていただいた。確か美術関係の学校を出られたと記憶しているが、やはり音の捉え方がとても感覚的だ。
2015-04-01 17:10:39
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インフラノイズの新アイテム、リベラメンテ電源ケーブル(パワーリビラメンテ)は高い評価を受けている。オディオの大先輩である酒仙坊先輩他、音もだちの皆さんも、これはすごい!と大絶賛されている。
そ、いうことならとあたしも都合5本(1.3メートル)を注文、この2週間音慣らしをしていたのだった。
うちのアキュシステムであるA-70、C-3800、DP-900、DC-901全ての電源ケーブルをパワーリベラメンテに交換。すでにインターコネクトケーブル、SPケーブル(バイワイヤ)ともリベラメンテであるので、うちのシステムの全てがリビラメンテで結ばれたということになります。
交換後2週間以上がすぎたのだけど、毎日音が変わる。5本頼んだのだけど、注文殺到ということで、先ず1本到着したので、先ずA-70に使用して音の変化を聞いたのだけど、当初は音が固くなり、線が細くなりすぎ、アキュの一番悪い音になっちまったみたいな感じだったけれど、今までの経験でリベラメンテは時間が絶てば必ず良くなるということが分かっているので、しばらくエージング。
そのうち、後の4本も届いたので、CDP(DACとトラポにそれぞれ1本の計2本)とプリに投入。この段階で音はさらに固く、ぎこちなくなってしまった。でもリベラメンテ、実力が出てくるまで2週間はかかると踏んでいたので、少しもあわてず音の変化を見守ることにしたのでした。
音は毎日変化した、固い音がだんだんとしなやかに、つまっていたような低音が日を追うごとに出てくるようになってきた。おもった通り、少なくともうちのシステムでは2週間以上のエージングが必要なのでした。
そうして約3週間がたって、パワーリベラメンテの実力が十分に出てきたと思う。もちろん、これからも変わっていくと思うのだけど、ともかく現時点での印象を書いておきます。
2015-04-01 17:09:09
テーマ:ブログ
今までのアキュの音ががらっと変わってしまった。これまではサウンドトレール社の極太スナーケーブル仕様の電源ケーブルを使っていて、その時の音は、エネルギーも十分、ほんのり艶がのって実にスィートな音でした。
一方、パワーリベラメンテを使うと、一言でいうと今までになかった「音楽性」がはっきりと出てきた。つまり、音楽の最も大事な部分、音の重なり、和音、響など、音楽の要素がぐっと見えるように浮き出てくるのです。
耳タコCDも、今のうちのシステムで聞くと、音楽の構造というか音のつらなりというか、それと同時に演奏者の気持ちも伝わってくる感じが濃密になった。
例えば、カラヤン指揮 VPOのチャイコフスキー 交響曲5番。もう、今まで聞いてい音とは「全く違う」。
今までの音はたしかに美しい音ではあってけれど、リベラメンテ導入後の音は、ベールが全てとれて、音楽そのものの微細なうごきが手に取るように見える(聞こえる)。あたかもうちのシステムのSNが(もともとアキュだからとても静かなのだけど)さらにアップしたように静か、、まさにVPOの響はこうなんだろうなあというぐらい美しい響が出てくる。
2楽章などはもうVPOの美の結晶のような音が出てくる。この盤はこんなに素晴らしい演奏と録音だったのかあと驚いてしまう。
あたしが大好きなラベルの管弦楽集。ジュリーニー指揮 ACO盤を聞く。弦の音の艶と響が実にすばらしい。音楽がひたひたとせまってくる。こんなに美しい演奏だったのだと再確認。
さらに驚いたのは、クリュタンス指揮のパリ管の大昔のEMI盤。こ、これはすばらしい。古い録音なのにジュリーニのデジタル録音より、すばらしい音! 音全てがみずみずしくてとても、50年近い前の録音とは信じられない!ほど。こんな音でこの盤が鳴ったのは初めてでした。
ジャズは最近良く聞いているウィントン・マルサーリスの何枚かを聞く。これは大変美しく聞こえるのもあるし、少し濁った感じのものもある。なるほど、パワーリベラメンテはCDの録音の良し悪しを無残なぐらいあからさまにさらけ出してくるようです。
カラヤン BPOのマーラー9番(ライブ盤)は、やっぱり、音楽の立体構造が精緻に浮き上がり、しかもパワー感も十分なので、まるで初めて聞いたような音にひたってしまったほどでした。同じくカラヤンのニューイヤーコンサートもすばらしい音。なぜかしらないけれどリベラメンテとVPOの相性がとても良い(笑)。
2015-04-01 17:06:40
テーマ:インフラノイズ
感じるのは、パワーリベラメンテを導入後は、音全体がアナログのように鳴るということです。なんというか、アナログの針で丁寧に音溝をなぞって出てくるような存在感の濃密な音です。それも、ちょっと前にラジオで聞いた蓄音機の音(電気を通さず針だけででかい音響版を震わすもの)の感じを彷彿とさせるのですね。とても不思議なんだけど、そのような感じがする。
今のシステムでCDを聞いていると、まるでCDを聞いているという感じがしない。音楽だけが立ち上がってくるっていう印象があります。CD独特のクセのようなものが、すべてなくなって録音されている音だけが立ち上がってくるような感じ。しかも、これも書いておきたいのだけど、CDPにクロックを入れたときのように音のピントがぐっとあってくるような印象も強いのです、、
ともかく、今まで使ってきた電源ケーブルとは全く何かが違う。それは多分オールドマークレヴィンソンのアンプのように、レビンソンっていう人が音を聞きながら、納得するまで音を練り上げた結論がML-6やML-2Lであったりしたと同じように、音楽家 秋葉社長が音を聞きながら精魂込めて作り上げたケーブルの音は、普通のケーブルの音と違うのは当然だという気がする。まさに唯一無二のケーブルであります。
まだまだ、音は良くなると思う。うちでは、パワーリベラメンテの実力が十分に発揮されているとは到底言えないと思う。まだまだです。これからにさらに鳴らしこんで、どうなるのか。期待できますね。追ってまた報告しますよ。
2015-04-06 15:29:30
テーマ:インフラノイズ
やっぱり3週間以上必要だった! 約1カ月じっくりエージングの時間が必要だったのでした。
前回のインプレでは、まだ実力が発揮されていないと言って閉じたのだけど、実際、たしかにかすかなエッジ感が残っていたり、エネルギー感=特に中低音がまだ十分に開けていない感じがあったのだけど、この4日ほどで、そういった点が全て払拭された。
音全体がしなやかかつなめらかになって、気になっていたエッジ感がほぐれて、エネルギーも中低域が十分に出てくるようになって、音全体のバランスが整った。もう完全にケーブル投入時とは違う。はっきり言う今回のパワーケーブルはすばらしい! 音楽を聞くのが楽しい!
耳タコCDでーエージングをかけていたのだけど、こんなに音が変わる(良くなる)とは想像もしなかった。同じCDでも日を追うごとに音がよくなる。
例えば、カラヤンBPOのマーラーの9番ライブなどは、、
これが同じCDか思うぐらい音の様相が変わってくる。音のひとつひとつが、はっきりくっきりと見える。音楽のこまかい表情が見える。
ヴァイオリンのボウイングまで見えるような感じ(あくまで感じです)。弦の音、特に高域の透明な輝きはうっとりするぐらい美しい、、 そうして爆発するマーラーのフォルテシモでも、エネルギーを低音から高音まであますところなく表出。しかし音全体が混濁せずに、十分に分離されて出てくるのだから音楽の細かい部分まで聞き取りたいあたしにとっては、たまらない。
しかも音全体が澄んでいる、透明感がましている、そして全体が静かなのです。SN比が格段にあがっている感じがする。なんだろうこれ、再生機器を変えた訳でもないのに、この違いは、、それとひとつひとつの音がしっかりしていて、この間も書いたけど、まるでアナログの針でしっかりトレースして出てきたような音の様相なのです。
SACDの再生もとても良かった。手元にあったブーレーズ VPOのマーラー3番の第1楽章だけれども、カラヤンBPOの9番の音の印象と基本的に変わらないのだけど、細かい部分の表現能力というか、美しさがさらに際立つ。
特に弦の音の透明な美しさにはこころが奪われてします。なんで音がこんなに変わるのか、、、、
ジャズも大変に良い。ピアノもトランペットも、美しい。磨き抜かれた音。一方、ベースやドラムスはエネルギー感十分で、思わず体動いてしまうほど。この低音のエネルギーは、ついこの前までは無かった、、エージングが進むにつれて、ベースがもりもり出てくるようになった。この変化は一体何!
そうして、なにしろ再生が難しいと思われるこの盤を聞いた。
メシアンのトーランガリラ交響曲 ケント・ナガノ指揮 BPO盤
もう、ものすごくよかった。超複雑で、起伏の激しい、このいわば無茶苦茶な曲を実に繊細にそうしてダイナミックに、ああ、もういうことありません。あたしは、思わずウィスキーをロックで持ってきて、このエロティックかつダイナミックなもう何かしら豊穣な音楽にひたってしまったのだった。ああ、これはまさしく極上の音楽! 極上美!
今パワーリベラメンテは、うちのアキュのシステムコンポ(大爆笑)に全段塔投入している状況であります。
すなわちDC-900 DP-901、C-3800、A-70、そしてスピーカーはB&Wの802ダイヤモンド(SPケーブルもリベラメンテをバイワイヤで使用中)。
パワーリベラメンテが全開になって思うことは、このケーブルがアキュの音のベストの状態で出してくれるベストケーブルではないかと思っている。
すみずみまで磨き抜かれた美しい音は、現在のアキュフェーズのサウンドに相違ないと思うのだけど、パワーリベラメンテを使用しなければ、この音は得られなかった、、
やはり約1カ月はかかるのだ。パワーリベラメンテが実力全開となるには、、特にアキュフェーズとか固有の音を持っている機器とフルにコネクトするには時間がかかるのかもしれない。まだまだ音はよくなるはずです。でも、現時点での音には全く満足!
聞いていて、あんまりいいんで、思わずウィスキー飲んじゃおかあ!って思うぐらい、音楽に陶酔できる音を醸し出してくれるのがパワーリベラメンテ! これはすばらしいケーブルです!
パワーリベラメンテ。まだまだ良くなる!
2015.3.23
移転の真っ只中、毎日大変なのですがそれに加えてまた大変なことが!
ピアノの発表会が4月4日に決まってしまいました。普通なら仕事が忙しくてという理由で欠席なのかもしれませんが今や仕事ではなくて、オーディオではなくて音楽に生きる私ですのでもちろん優先順位は一番。ところが練習が当然充分でない。考えたあげくの策は自己催眠です。世界一のピアノ、ベヒシュタインを暗譜で弾いたぞという記憶を造って当日に備えることにしました。また無理やり恥も知らずショールームへ押しかけようと思っています。
ショパンのマズルカです。Youtubeで探した演奏を30種くらいCDRにして聴いてみましたが、脳内ではもう上位に入っています。マズルカは普段お馴染みではないのですが、同じくyoutubeでピアノ曲でなくダンス音楽としての伴奏?が見つかりました。50曲以上良いのがあったので同じくCDR化、いいですね。ショパンのマズルカより土着のがもっと色濃くて聴いていて満足。ポーランドに行きたくなってしまってます。心はマズルカで頑張ってきます。
2015.3.20
お詫び
突然ですがインフラノイズは社屋移転のため、本日から約2週間ほど通常業務
がストップします。パワーリベラメンテやマスタークオリティーCDR を早く
聴きたい思いの皆様には大変申し訳有りません。諸事情によりこのように
急な展開になってしまいました。出来る限り早く正常業務に戻るよう努力いた
しますのでお許しください。
2015.2.26
この画像はアムステルダムコンセルトヘボーの舞台である。少々こじつけの感はあるがパワーリベラメンテ製品化がリベラメンテシリーズの後ろのほうにきた理由はオーディオの要である電源装置はこのコンセルトヘボーのステージのようにオーケストラの低音を支えるものであるべきだという思いがあったからだ。そのような低音を電源ケーブルだけで支えられるとは夢にも思っていなかったので電源ケーブルの製作意欲が沸かなかった。リスニングルーム専用の電柱を立てるしか方法が無いということを認めるのもオーディオ開発者としては悔しいものだ。
それがやっと夢の製品化となった。自信の製品ではあるが
試作品をインフラノイズから外に持ち出して試聴するというステップは今回はなぜか行わなかった。それが裏目に出たのか親しい販売店でさえ言った、だれ一人試聴したことのない製品を疑いもなしに何セットも真っ先に購入するなんておかしいことだ。自分もまだ聴いてもいない製品なのに、期待に反した場合、お客さんはいったいどうするのだろうと本気で考えて、およそ販売店が書く内容でないはずの疑問を発売前からホームページに掲載されたという因縁付きの販売がやっと始まったわけだ。
開発者も誇大妄想そのものとはいえ、相手はお客様だから自分の自由になるわけではない。恐怖心が全くないというわけではなかった。
それがである。販売開始して間もないというのに何セットも購入、すぐ感想をくださったのはあのTさんである。
製作者としてこれ以上の喜びと感激はない。
2015.2.26
お世話になっております。この度も迅速な手配をいただきありがとうございました。
ようやく一段落しましたので、導入の顛末、感想を送らせていただきます。
先ずは上流からと言う事でCDトランスポートに入れてみました。最初は低域が大きく膨らんで下に寄りましたが、1時間ほどで落ち着きました。
首尾は上々で、これまでのリベラメンテシリーズの効果がより明確、顕著になって目の覚める思いがしました。効果自体は従来の延長線上にあって同種ですが、全体が根こそぎブラッシュアップされた印象で、新たな効果が付加されたようにすら感じられました。
各楽器の音色はこれまで以上に艶、厚みが増し、肉感的な実体感があります。音にエネルギーが注入されたような感じで、力強く弾力がある上に切れ味が鋭くなりました。音と音との間もぎっしり詰まっているという印象です。
重奏や合奏での音の重なりや分離なども相当に強化され、音階や流れの細部、うねりの様相などがより一層明確に聞き分けられるようになっているにも関わらず、全体の厚みが格段に増しています。
また、空間の感じられ方が以前とは全く違い、演奏している場のエアボリュームがそのままの密度、熱気をもって立体的に自分を包み込むように拡張されて形容しがたい臨場感を感じました。これはUSBリベラメンテでユーチューブの特定音源を聞いた時に感じたリアリティと共通するものがあるようにも思われます。音が前に出て来ると言うような事ではなく、音源と自分との間の空間の量感を実感できる、実在感が在ると言うような感覚です。奏者と同じ会場の空間に居るという強い一体感、ライブ感が感じられたのは非常に不思議な体験でした。
次に、周波数が低いのでどの程度の効果があるのか気になっていたサブウーハに入れましたが、音の出だしから目を見開く事になりました。
中域がものの見事に充実し、音の艶、エネルギー、実体感が飛躍的に上がると同時に、演奏のドライブ感、疾走感が驚くほど向上して、音楽の躍動感、楽しさが倍増したように思えました。
気持ちを落ち着かせて聴き進むと、低域の音階、旋律の流れ、リズムの聞き取りやすさが向上している事や、本来聞こえない低い周波数帯の音の拡がりや空間の気配をより強く明確に実感できるようになっている事にも気付きました。高域反射によって空間の拡がりを感じるのに対して、低域には空間自体のボリューム、マスを感じさせる重要な要素が含まれているのでは無いかと言う気がしました。
連続の特大ホームランに気を良くしてDACに入れました。前述の効果が確実に上積みされ、より彫りが深く、表情が豊かになって全体の充実感が増しました。もうこれで十分以上と思える程に達し、このまま音に埋もれていたいという思いで体が動きませんでした。
この時点で、これまでになく再生音量が上がっており以前では考えられなかった音量で普通に聴いている事に気付きました。あたかもダイナミックレンジが拡大したような印象です。
また、演奏者の意図やニュアンスがこれまでよりも各段に良く汲み取れるようになったためか、無意識に体や脚でリズムを取っている時の動き、振幅が驚くほど大きくなっている事にも気付きました。
余談ですが、家内が言うには、聞いて直ぐに「スモーキー」という言葉が頭に浮かんだそうです。スモーキーとは樽で長期間熟成された年代物の芳醇なウィスキーのイメージらしいです。興味の無い家内でも一聴で明確に音の変化が判ったようでした。
勢いに乗じてプリ、パワーと順次追加しました。これまでの様な極めて大きな変化では無いものの、確実に同様の効果が積み上がって一層磨きがかかるといった趣になりました。
私は演奏がゆっくりと感じられるかどうかを機材導入時の判断基準の一つとして重視しておりますが、これまでのリベラメンテでも毎回経験したのと同様に、今回も以前に比べて更にゆったりと感じられるようになりました。
その内に興奮も収まって落ち着いてきますと、過去には音が変わっただけで改善されたと錯覚した失敗も多かった事が気になり始めました。特に今回は様々な機器に入れたにも関わらず悪くなる部分は全くありませんでしたので、あまりに出来過ぎで良いこと尽くめと言うのもどうかと思い直し、同時にリベラメンテという名称から来る思い込みバイアスも考慮する必要があるとも考え、元のケーブルと差し替えながら比較する事にしました。
電源ケーブルはいろいろ試しましたが一長一短で、当初は良くなったと思っても結果的には不満が出る事が多かったため、十分ではないにしてもメーカーが音決めに使用した物が無難であるという事で全て添付品を使用していました。
比較してみると元に戻した方が良いと感じるケースが複数出てきました。一瞬、これは失敗したかとも思いましたが、再度リベラメンテに替えるとやはりこちらの方が圧倒的に良いのです。
更に納得が行くまで回数を重ねて試しましたが結果は変わりませんでした。交換直後には凄く力感が出たりして元の方が良いと思ったりもするのですが、リベラメンテに戻した後ではそれほど悪いとも思えない添付ケーブルが癖のあるケーブルのように思えて来ました。何の根拠もありませんし言い方もおかしいのですが、自分にとってはリベラメンテの方が好ましく、正しい音だと直感的に判断しているわけです。元のケーブルが一瞬でも良く聞こえたのは長年慣れ親しんだ音だからかもしれません。
全交換で満足しているのだから余計な事ではあるのですが、少なくとも信号系リベラメンテを入れた時点では添付品で十分満足していたのにどうしてパワーリベラメンテを入れた後では癖があるように感じてしまうのか、何故異なる装置に使用しても従来のケーブルのような問題が起こらないのかなどいろいろと考えてしまいました。
このケーブルには機器との相性が感じられず、複数を使用しても弊害が無いばかりか入れた分だけ効果が確実に上積みされると言う優れた特徴があります。どの機器に追加しても非常にバランスが良く、電力消費の多寡などの個々の装置の差異を意識する事は全くありませんでした。
ただ、入れ替えの順序や当方の機器特性のためにそう思うだけかもしれませんので当てにはなりませんが、アナログ機器よりもデジタル機器の方が効果は大きいような気がしております。
今回の導入を総じて振り返ってみますと、このケーブルは音響の基礎を拡大、強化し、その揺るぎない土台の上で信号系リベラメンテの効果が十全に発揮されているという印象があります。以前にリベラメンテで統一した場合の相乗効果の話が出ていたと思いますが、今回も同様にラインと電源の両方のリベラメンテが相俟って画期的な改善が得られたものと考えております。
パワーリベラメンテ自体が非常に優秀である事は勿論ではありますが、見逃してはならないのは、その真価は相互強化によりシリーズ全体の効果を底上げし、深化させる役割を果たしている点にあるのではないでしょうか。
上記以外にも改善点が沢山ありましたが書ききれませんでした。深く印象に残った部分だけに絞ったつもりでしたが、図らずも長々と駄文を連ねてしまいました。冗長になってしまい申し訳ないのですが、これでも言い尽くせない程喜んでおります。
この度も大変お世話になりまして有り難うございました。篤く御礼を申し上げます。
秋葉社長様によろしくお伝え下さい。
2015.2.5
今朝はMt.T2さんのブログを拝見してとてもうれしかった。Mt.T2さんのブログの内容はなぜかおよそ二ヶ月遅れで記載される、タイムマシンに乗っていくような不思議なタイムディレイの感覚がある。
今日はPrototerraを聴かれた感想だった。この内容が私にとっては最大の喜びだ。初めてウイーン国立歌劇の歌手の声をスチューダーアナログレコーダー,96cm/sec.録音した悪夢のような経験以来ずっと言い続けたきたことを完全に理解してくださったと確認したからだ。
音ではなくて、音楽演奏を再生する限り最新のハイレゾ録音再生を持ってしてもずいぶん前のスチューダーアナログレコーダーで録音再生するのとは勝負にならないくらいの実力差がある不思議な現実だ。
DSD,ハイレゾとCDなどのローレゾの両方ともデジタルの音なのだとひとくくり出来る音楽録音再生の欠陥がある。アナログレコーダーやアナログレコードで体験できる良質の音楽再生と比べデジタル録音再生はいくらハイレゾで周波数帯域に優れ、分解能が素晴らしくなったところでその大事な部分には変化はない。
どうしてオーディオマニアの方はこんな大事なことがわからないのだろうか?
Mt.T2さんは大変活動的な方、全国のとことんやられているモンスタークラスのオーディオフレンドがたくさんおられるのでオーディオ体験が半端ではない。そのMt.T2さんが最近ではアナログレコーダーに魅惑され、最新のハイレゾ、DSDにはあまり興味を示されていない。この意味は私がこの30年言い続けたきたデジタル再生録音の欠陥と完全に一致する。
こんなMt.T2さんが今朝Prototerraの熟成期間を経た感想をアップしてくださった。マスタークオリティーシリーズは一般のデジタル再生とは違う極めてアナログ再生に近いものを持っていると初めて証言してくださったのだ。
たくさんのオーディオマニアの方がこの事実に目覚められることを祈ります。
2015.2.6 追記:
上記はかなり過激な発言と取られるかも知れない。しかしオーディオ業界の足をひっぱるわけではない、スーパーオーディオが何十年も前のオーディオ装置に負けるのがおかしいと気づいた若いオーディオ技術者に頑張って欲しいからだ。DVDやハイレゾがだめだと言うつもりは全くない。単に未完成であるだけだ。広帯域や分解能の優秀性とドレミファの再現は違うことを理解して欲しい。何十年も前の機器にあって最新機器のないものは物理的性能を考えているだけでは見つけられない。いくら上質の材料を使っても本に書いてあるレシピでは最高の料理が出来ないのと同じことだ。
現状のDVD,ハイレゾは決してアナログレコーダーの音質に劣ることはないと主張される方は以下のようなことが起こる理由をどう説明されるのだろうか?
最新、最高のDVD,ハイレゾ再生でわざと高音ユニットの接続をはずし、おまけにアンプのトーンコントロールで高音を絞りきることで高域の出ないオーディオ装置で聴いてみる?
今度はその演奏に極めて近い内容のアナログソースをアナログレコーダーで再生して聴き比べる。
この条件ではDVD,ハイレゾの優位性は目立たなくなるはずだ。このモコッとした音、コンサートを扉の外で聴くような音質でアナログとハイレゾの差が解るのだろうか?
2015.2.9 追記:
答えは?
差は必ず残ります。低音楽器で高音の少ない領域でもドレミファはあります。
いくらスピーカーから高音は出ていなくても音程は解ります。
ハイファイとドレミファは違うのです。
ハイレゾやDSDが音程と倍音、和音の再現能力でアナログ以上の結果が出れば
アナログ録音再生は過去のことになることでしょう。
期待できないが期待します。近づける努力だけでいいです。
2015.1.23
Outletで倉庫に眠っていた2個の砂入り防振Boxを売りに出したらその日の内に売り切れてしまった。
再生産しようにもコストが合わないので無理。自作しか方法はないと手造りを始めた方も何人かおられるのが解った。このままではと心配になったので製作上の注意を思い出しながら書いてみようと思う。
以前にオーディオマニアの間でジルコンサンドという高価だが美しい砂をオーディオの防振に使うことが流行った。
私もこの効能を信じておろかにも録音用ダミーヘッドの中にジルコンサンドを詰め込んだ。これで録音した演奏を聴いた指揮者それ以来私の耳を信じていない。
このくらいとんでもない弊害があるのである。防振のはずが使いようによっては恐ろしいことが起こる。実は振動を熱に変える効果というのはどうじに砂同士がこすれる音を発生している。歩くとサクサク,キュッキュッ音が鳴る鳴き砂ということでも有名である。
単に砂そのまま使うとそのままの状態で無音であってもオーディオ的には具合の悪いことが起こる。逆にこの音が有利に働くこともある。ジャズのシンバルやピアノの倍音に
あたかも生演奏で聴こえるジャズの香りとなるのである。しかしオーディオ装置が進化するとこの音が必要ではなく、録音にあるわずかな香りで充分ということになる。クラシックの場合にはまずこの香りは要らない、むしろ弦にはとても有害な匂いとなってしまう。それに気づかなかった頃の私はその指揮者の信頼を失ってしまったのだ。
では砂はオーディオ装置にどのように使えばいいのか?
1)ジルコンサンドなど単一のものでは個性が強くなるのでブレンドする。他の産地の砂だけでなく、鉄粉や鉛粉、その他の材料とブレンドする。これは勘と粘りが勝負だ。
2)砂同士が擦れ合うキシミ音を軽減するために音質の良いオイル、例えばスクアランをごく少量使ってみる。
あるいは硬化しない樹脂成分を使うなどの手法がある。
3))砂の鳴きを封じ込める手法、フェルトでくるんだり、鉛シートで包んだりする。砂の防振効果とフェルトの音、鉛の音とのトレードオフが難しい。
4)磁石の反発や、音質の優れたインシュレーターで砂の鳴きを軽減する。
高いレベルの再生を目指すには以上のような難しさを伴う。
これが解ってくるとオーディオアクセサリーの多くがいかに思いつきだけで製品化されているか聴かなくても解るようになる。木の箱に針金を張ってチューニングすればちゃんと演奏可能な楽器となる。それをヴァイオリンの構造にすれば1万円で販売可能なmade in ○○のヴァイオリンとなる。このヴァイオリンと10億円のガルネリデルジェスを音楽にも、骨董品にも興味ない人に見せたらどう思うのだろうか?
皮肉っぽい表現になってしまったが、オーディオの最終目的は音の違いを楽しむことではない、偉大な演奏家の記録を聴いて感激することが目的なのである。もちろん音の違いを楽しむことも目的であるオーディオマニアもオーディオメーカーもあるがあくまでインフラノイズの目的は最高の演奏表現の再現なのだ。
2015.1.22
パワーリベラメンテ、電源ケーブルの開発がほぼ終了しました。
これまでの電源ケーブルでは考えられないくらいの音質向上をお約束します。
アンプその他の機器はもちろん、パソコン本体への使用でも大きな効果を認めました。電源ケーブルとなるとリベラメンテの総決算とも言える大切な部分ですので
思い切った求めやすい価格設定にする予定です。もうすぐ正式発表します。
取り合えず急いでのお知らせです。
2015.1.15
マスタークオリティーの第四弾ですが、オーケストラを検討中です。
詳細はまだ発表できる段階ではありませんが、少しだけ。
昨夜、自分をなんとか第三者的にして宇野功芳さん指揮の市販CDとこちらでマスターを仮マスタリングしたCDRを比較して聴いてみました。既に販売された一般売りCDもなかなか良く出来てはいますが今回仮でリマスターしたものと比較すると大きく違いました。
http://www.lummox.net/celestial/20030914.htm
いくつもの楽器が重なって演奏されているところを中心に比較してみて、下手な表現力ですがなんとか文章にしてみました。
景色を写真にすると空気感や立体感が無くなってしまいます。
どうも音楽も一緒みたいで空気感や立体感の喪失が生との違いのようです。
いくつもの楽器が重なって一つの音色、オーケストラ全体の音色となりますが一般CDの音はすでに重なった音がひとつの音色になって聴こえます。リマスターはいくつもの音が分かれて聴こえながら、同時に重なって聴こえる不思議さが有ります。生の演奏ではそれが当たり前なのですがいつも意識してそれを感じてはいません。ひとつひとつの分かれた音が互いに干渉してひとつひとつが出してはいないはずの新たな音が生まれて全体の音色となる。これが生の音楽演奏なのですが一般CDではこのように聴こえません。今流行のハイレゾですが今までオーディオで聴いた経験では今回の体験は有りません。市販CDではなくてDSDやハイレゾ再生ではひとつひとつの音がより細かく、しっかり形を持ってニュアンスを失わず一般CDより遥かに精緻な再生であるのは間違い有りません。しかしスピーカーから出た音のひとつひとつが空間で重なるあの生演奏の不思議は体験していません。
音のひとつひとつが干渉しながら新しい音が生まれて、もとの楽器の音と重なりながらも分かれて聴こえる。いわば虹が三原色の干渉で色が分かれるように音と音が干渉しながら重なって総合的な音色となる。市販CDの音はそのようにはならず、重なって一つの音色になってしまった後の状態で音が入っている。自然の景色でいろんな色の光が互いに波動として干渉しながら全体の色となった後でその映像を固定するのが写真であるように、全体の音を写真のように固定したのが一般CDの音であると思いました。
リマスターCDRには干渉する前の状態で個々の音として入っています、再生するとスピーカーから音になって出てから空間で干渉して全体の音になるという感じです。一方市販CDを再生すると最初からひとつの音としてスピーカーから音が出ています。
要するに記録されたひとつ、ひとつの音が空間で干渉して全体の音になるのと、初めから全体をひとつに固定記録した音の違いであると思います。
内容も発表していない第四弾ですが昨夜の印象があまりにも強烈で書かずにはおられませんでした。
2015.1.13
Prototerra CDRの表紙をデザインしてくださったデザイナー松石さんがCDRを聴いた第一印象をくださった。
演奏者がこのような録音を行ったという情報だけでよくもまあこれほどに曲想とマッチした絵を画かれたものだと驚いていたのだが以下の試聴感想を読んで納得できた。ダヴィンチがいろいろな分野で才を発揮したのと同じで天から二物を与えられた方はおられるものだ。2日かけて3回聴かれたとのことです。
一枚のCDから 沢山のイメージ 言葉が湧き どうメールを送ろうかととまどう。
最初の音を聴きたくてエアコンOFF 耳をスピーカーに押し付けるように聞きました。
うーん 一本の映画やね。海浜(ひん)もしくは水辺(ひん)の街に 二人の辻音楽師が
現れるというのが ファースト シーン。
いきなりパゾリーニですが 占者の託宣を受けたオディプスが荒野にさまよいでる・。
風呂屋のペンキ絵そっくりの毒々しい青空のもと 青年が野外祝宴の超長テーブルの
白いクロスをずるずると松並木の間を引きずっていくシーン以外は、雪もしくは曇天
夜の室内しか映さなかっテオアンゲロプロス、地中海のギリシアなのに。
電子音氾濫のなかで、奇を衒うわけではなく 原音の再生を目指す姿勢に
好感を抱き、むしろ地味(姿勢として)である行為として 地道(地味)という言葉が出ました。
ファイナル 4楽章 二人のVarious(多様性のある)な熱演で、4曲一隻の屏風もしくは
映画はしずかに幕を降ろします。見事です。
PS:良いCDができましたね!わたしの絵も表紙としての役割を果たせたようです。
・・・・2通目
今三度目 聞き終わりました。言い忘れたこと書きます。
フィナーレは 風 やと思ったことです。木の葉が揺れている。
そうやねー ぶらさがったものが 風にただ揺れている
しずかにかすかに 揺れて震えて いる 田中さんの 乾ききった音
がいい。大竹さんのフレーズもいい。映画のラストシーンです。
水が出て欲しかった。一楽章 水 です。
火は4楽章のはじまりの 雷鳴 で充分。土 打楽器が地響きです。
音は祝祭的ですね。ビバルディを聞いて そう思った。
アタリという仏の哲学者は 暴力だとも言う そのとおりです。
表現が咀嚼されない間は 暴力ですね。でも 慣用句となった表現は
時としてうんざりさせられます。
2015.1.6
予想外に出足好調なマスタークオリティーCDR第3弾、Prototerraですが、演奏内容についての告知が無かったせいか、アヴァンギャルドという内容について驚かれた方もおられたようです。申し訳有りませんでした。
CDに付属のライナーノートは以下の内容となっています。
CDRの内容について
ロックバンド出身の田中康之とプロのクラシックオーケストラを経験してきた大竹徹とがなぜ今回の即興セッションをすることになったのか?それは大竹はすでに15年前からダンサーなどとの即興演奏にのめり込んでおり、田中は新しい演奏境地を打楽器に見いだそうとしていた2001年に遡る。デカルコマリィというユニークな男性ダンサーを中心にした大道芸で初めて顔を合わせたふたりは、その後も大道芸やライブハウスなどで色々な人たちと即興セッションをする日々が続いた。しかし、二人きりでお互いの世界をぶつけ合う機会はなく、今回大竹の学生時代の友人である秋葉良彦の勧めもあってそれが実現することとなったわけである。今回は、事前に何の打ち合わせも準備もしない本当の「即興演奏」がそのままのかたちで採録された。秋葉の録音手法は、後からエコーをかけたり、つぎはぎをしたりという処理を一切しないものであることはすでに知っていたが、不思議とふたりにはリラックスした気持ちで録音に望むことができた。それは、ふたりだけの空間でおもいきり自由に表現できるという悦びのほうが勝っていたからだと思う。演奏は一度限りのもので、その場に居合せたひとたちだけと共有すべきであると考える大竹は録音に対して否定的な姿勢であったが、試聴盤でその原音に忠実な世界が眼前に繰り広げられるのを聴いて、驚嘆し、そして第三者として楽しんでいる自分を発見したのである。
大竹徹
2001年大阪天満宮でイベントとの折、踊り家デカルコマリィ氏率いるアチャラカオールスターズへ参加する機会を頂き既にメンバーだった今回のDUOのお相手violist大竹と出会いました。以来不定期ながらも活動は続き彼とは5年ほど前からユニットを組み定期的に即興演奏を行っております。今回の企画、制作頂きました秋葉とは2005年の今は無きフェスティバルゲートにあったライブハウスでレコーディングの声をかけて頂き漸く実現の運びとなりました。予めの内容のリクエストがありませんでしたので倍音が特徴的な楽器と響きの少ないタイトな楽器を組み合わせ立体的な音色を意識しました。其々の曲を20~30分位との制約の中で大まかな流れの見当をつけて演り始めましたが敢えてお互いにイメージを持たないように事前の打ち合わせ無く本番に入りました。ザックリした言い方ですが音をフォワード、フォロー、ブレイクしながら構築して行くわけですがDUOでのプレイは特に集中しないと崩れてしまうので息が抜けませんでした。勿論即興演奏も音楽を奏でてゆく手法の一つに過ぎませんが予定調和を外しハプニングや発見があり意図していない自分の演奏が現れたりするところが即興演奏の醍醐味かもしれません。短時間でのレコーディングでしたが適度な緊張感が保たれて其々の音景色が展開出来たのではないかと思います。
田中康之
ヴィオラとパーカッションのDUOというとても珍しい組み合わせです。クラシックの楽器とジャズで多用される打楽器の組み合わせというだけでも珍しいのに、どちらかというとクラシックの楽器の中でも特に地味な感じのするヴィオラの録音、なんと不思議な世界でしょうか?ヴィオラはオーディオ的には生音に近い音で再生するのが難しい楽器の一つと言えます。二つの楽器がアヴァンギャルド演奏の中で対話します、弱音と強音の差はとても大きいのでオーディオチェックソースとしては持ってこいの録音になりました。まるで男性の声のようにヴィオラが歌うか?シンバルが濁りなく虹のように空中に拡がるか?相反する性格の音、どちらもを問題なく再生出来るようになればオーディオ装置はあらゆるジャンルを万遍にこなす適応性に優れたものになることでしょう。オーディオソースとしてはお馴染みのないジャンル、アヴァンギャルドですが音楽への既成概念を捨て受身に徹することでお二人の意図されているものを楽しみながら理解していただけるかもしれません。
ご注意:
4楽章の冒頭部にはヴィオラのチューニング音が入っていますが、その後突然にシンバルが最大音量で演奏されます、通常の試聴音量より上げての再生を行うと聴覚への悪影響だけでなく、高音ユニットを破壊しないとも限りませんのでご注意ください。
以上のような内容ですが、もう少し付け加えてみます。
楽譜はありません。またどんなことをやろう、どんなテーマでやろうという前もっての打ち合わせも
全くありません。あえて言えばなんとなくどちらかとも無く、演奏が始まって一人が機織り機の縦糸をおれば、相手が横糸を織る。様子をみながら布を二人がかりで創り上げていくというようなものらしいです。世界の音楽シリーズCDでピグミーが音楽なんてだれにも習っていないのに森の中で合唱をしているのが有りますが、だれともなくテーマのリズム、旋律を歌うとそれを変奏曲のように合唱にしていく、これは今回の演奏者に言わせると全く同じことらしいです。アヴァンギャルド、前衛音楽は名前を聴いただけでこちらが難しい世界と思い込んでしまう。本当はピグミーのような単純な世界かもしれないと私は思っています。録音しただけの私は理解しているとは言えないでしょうが、彼らと付き合っているうちに違和感が無くなってきているのは確かです。でも全くアヴァンギャルドなんて聞かなかった以前からエリックドルフィーがやってたのを聴いて抵抗が全くなかったので下地はあるのかも知れません。
また一楽徒さんが2015.1.6にご自分のサイトにディスコグラフィー欄でPrototerraを取り上げていただきました。内容について的確な感想となっていますのでここにご紹介させていただきます。